X さらなる発展を願って
4.全国親の会創立30周年記念全国大会
平成7年度の全国ブロック長・代表者会議は、前年に引き続き欠席の県が少なく、しかも2名以上の出席の都道府県が多くなりました。会場「全国身体障害者総合福祉センター(通称戸山サンライズ)」の大会議室でも狭く感じる参加者になりました。
2年毎の役員改選は、いままでの「会長はブロック長の互選」という会則を改正して、「ブロック長会議で推薦し、代表者会議で承認する」となり、成田会長・行木事務局長ラインの留任継続になりました。ただし一部ブロック長の交替があり、中国ブロック長は山口県の加藤碩さんになりました。さらに規約改正では、文中の「言語治療教室」を「通級指導教室」に変更、また会組織のない地区での会員はブロック長に所属することになりました。
また、全国大会協賛金は、従来通り一口1万円ですがなるべく二口以上と決まりました。
さらに、この年から、全国親の会のシンボルマークが決まりました。かねてから会報などで提案してきた、佐賀県親の会の吉田事務局長のデザインでことばの「こ」を表したかわいいマークです。今後さまざまな場面で使って行くことになりました。
悲しい計報もありました。神奈川県親の会会長で全国親の会の監査をお願いしていた、岡島キヌさんが4月18日に逝去されたとのことです。本会のためご尽力くださったご功績を諾え、謹んでご冥福をお祈り致します。
さて、いよいよ創立30周年記念第16回全国言語障害児をもつ親の会全国大会千葉大会です。
思い起こせば、昭和39年8月柑日東京上野の文化会館に、千葉市立院内小学枚と仙台市立通町小学校の親を中心に全国から言語障害児をもつ親が集まって、全国親の会を結成して30年になるのです。その記念すべき節目に、言語障害児教育発祥の地千葉で全国大会が開催されることは誠に意義深いものがありました。
大会の前夜、全国親の会小林初代会長、辻第2代会長、成田第3代会長に、創立者ともいえる千葉の大熊喜代槍先生、北海道の跡部敏之先生、岩手の菊池義勝先生に、行木事務局長・事務局次長にお集まりいただき、土谷編集委員長の司会で座談会を開きました。30周年記念誌に収録するためでしたが、あっというまの2時間でした。とても誌面にはすべて載せきれませんが、ビデオテープに収めていますので貴重な記録になりました。尚、この時に大熊先生から門外不出の大切な資料の数々をお借りすることができました。30年記念誌が発刊できるのも、大熊先生のご指導ご協力のお陰であることを感謝し、お礼を申し上げます。
成田大会長・溜川良次大会実行委貞長のもと、全国大会は、盛大に開催されました。まず開会式で30周年記念歌の発表がありました。公募入選曲「夢の葉」(作詞宮村明秀・補作詞児島由美・作曲黒田亜樹)と「ふれ愛」を、柏少年少女合唱団によって披露されました。そして大会基調パネルディスカッションは、「言語障害児(者)の豊かな障害生活を考える」のテーマのもとに進められました。コーデイネイクーは東京学芸大学の上野一彦先生。パネリストは、国立特殊教育総合研究所の平井保先生、全国療育相談センターの武藤直子先生、千葉中小企業家同友会の中嶋三男先生、そして全国親の会土谷さとる副会長の4名で議論を展開していきました。
この大会の流れの特徴は、パネルディスカッションのメンバーを見ても解るように、単に言語障害に止まらず、LDも含めた広く障害を捉え、その関連の中で子どもたちの生涯を考えようという位置づけです。30年を節目に、多様な障害に対応し、他の障害とも連帯するなかでの言難教育の方向性を示唆した大会でした。この流れは、次の第17回全国大会熊本大会にも引き継がれていきます。
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