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ことばを育む会のあゆみ

言語障害児をもつ親の会の歩み・・30周年記念誌・・抜粋

第2節

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W 10年間のできごと

4.取り巻く社会の変化

(3)障害児教育に関わる法制度・報告書

、「重度・重複障害児に対する学校教育の在り方について」(特殊教育の改善に関する調査研究会報告・昭和50年)

、「軽度心身障害児に対する学校教育の在り方について」(特殊教育の改善に関する調査研究会報告・昭和53年)

、「教育上特別な取扱いを要する児童・生徒の教育的措置について」(文部省、文初特第309号通達・昭和53年)

  言語障害については

1) 聾、難聴、CP、精神薄弱に伴うもの

  *障害の性質、程度の応じて、聾学校・養護学校または難聴・肢体不自由・精神薄弱特殊学級

2) その他

 *言語障害特殊学級又は通常の学級で留意して指導

 *部分的かつ定期的に必要な程度の言語障害者については、通常の学級で留意して指導するほか、特定の時間に当該学校又は当該学校以外のにおける言語障害特殊学級への通級による指導が受けられることが望ましい。

この様に「望ましい」はずの通級も視点を変えれば全くそうはならず、行政管理庁が実施した「心身障害児の教育及び保護育成に関する行政監察」(53年6月文部、厚生両省に対し改善策を勧告した)の調査段階で監察を受けたことばの教室には大きな混乱が出ていたのも事実です。基本的には「特殊学級」には子どもが常時在籍するのが原則なのに、言語の場合、学級といいながら実際には言語障害の子どもの多くは他の学級に籍があって、たまたま「通ってくる」ということを指摘されることになる訳です。一方では「望ましい」とされながら、他方「問題あり」だったのです。こうした事態の解決法として「通級方式」が浮上してきたと考えていいのではないでしょうか。

昭和59年未、全国親の会は「臨教審」に対して次のように要望しました。

『通級又は巡回制をとる言語障害等の特殊学級も、精神薄弱のように固定式の指導形態を採る特殊学級も一括して「学校数育法第75条に規定する特殊学級」として一律に学級編成と教員定数が規定されているために生ずる矛盾は教育現場の隘路となり、望ましい通級・巡回制を衰退させつつ有る。この際、通級又は巡回による指導形態に合った制度の確立をお願いしたい』

、「心身障害児に係わる早期教育及び後期中等教育の在り方」(特殊教育研究調査協力者会議報告・昭和57年)

*前文で「幼児期は心身の発達が著しく、可塑性に富み、人間としての基礎を培う上で極めて重要な時期であるが、とくに心身障害児にあっては、できる限り早期に障害を発見し、その障害に即した教育を行い、幼児の障害の常態を改善ないし克服し、望ましい成長発達を図ることが重視されてきている」とし、聴覚・言語障害の項では、

*「言語指導を3歳以降に開始することは、ことばの指導の適時性を失うことになる。

したがって、可能な限り早期から言語に関する指導を開始する必要がある」

  また、3歳以降については

*「現在、全国の難聴・言語障害特殊学級の多くが就学前の難聴・言語障害児の教育相談を行っているが、今後ともそれぞれの地域の実情に応じ、教育相談が実施され充実されることが望ましい」としています。



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