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ことばを育む会のあゆみ

言語障害児をもつ親の会の歩み・・30周年記念誌・・抜粋

第1節

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U 親の会の萌芽

1.二つの教室の親の会

(2)大森小学校治療教室父母の会

真間小学校での国語科治療教室は、開設4年後に、先生の遣り繰りがつかなくなり、教室を閉鎖することになりました。

大熊先生は治療教育を継続できる学校を捜し、昭和32年、千葉市立大森小学校に移り、治療教室を担当します。

市川市での失敗を二度と繰り返したくないという想いから、大熊先生は親の力を借りることを考えたと言うことです。

先生主導の啓蒙のためか、準備会が発行したのか、会報第1号は父母の会創立前の昭和33年7月1日付で発行されています。

その後、この会報は何度か改題しますが、号数は現在の全国言語障害児をもつ親の会の会報『ことば』に引き継がれています。

従って創刊号の発行日、昭和33年7月1日は、私たちの会にとって記念すべき日だと思います。

昭和33年10月17日、大森小学校で『治療教室父母の会』の創立総会が開催されました。呼びかけに応じて集まったのは僅か4人。

少人数でしたが、お母さんたちのリーダーだった小林咲子さんを会長に選出し、早速昭和34年2月、県と千葉市に専任教師を配置について陳情し、それが稔って、昭和34年4月、千葉市立院内小学校に、仙台市通町小学校に次いで、わが国二番目の言語障害特殊学級が設置され、大熊先生が大森小学校から転任して担当することになりました。

治療教室父母の会も、言語治療教室父母の会と改称、さらに『千葉市言語障害児をもつ親の会』と改称します。

昭和36年3月16日には、次のような趣旨の陳情を文部大臣に行なうなど、活発な活動を展開しています。


 1.各都道府県に最低1カ所の言語障害児・者相談所を設置
 2.人口2〜3万以上の市町村に言語治療教室を設置
 3.国立言語障害研究所の設置
 4.大学での言語治療教師養成を開始

これを見ると、さすが全国をリードした方々の集団だけあって、先見性には驚かされます。

35年後の現在、2項は部分的な達成となっていますが、他の3項目は、例えば「言語障害児・者相談所」という形ではなくとも、特殊教育センターが設置されるなど、一応実現しています。



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