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ことばを育む会のあゆみ

言語障害児をもつ親の会の歩み・・30周年記念誌・・抜粋

第1節

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U 親の会の萌芽

2.耳やことばの不自由な子を持つ親たちの全国大会

産経新聞が聴覚・言語障害児の問題でキヤンペンを組んだことがキッカケとなって、昭和37年8月25日、全国から500人の親が、東京大手町の産経会館国際会議場に集まって、『耳やことばの不自由な子を持つ親たちの全国大会』が開かれました。

この大会の様子が、高松宮妃殿下、厚生・文部両大臣が臨席したこともあって、大々的に報道され、難聴児教育・言語障害児教育への関心が高まりました。

主催団体となった言語障害児をもつ親の会、耳の不自由な子の親の会、難聴学級設置促進会が、次の3目標実現のため、協議会を結成することになり、協議会会長に産経新聞社社長水野成夫氏、理事長に民政文化協会の岸田 到氏が選出されました。


 1.言語障害の稔合的な治療・研究施設の設置
 2.教育・治療の専門家の養成
 3.市町村単位に言語治療教室・難聴学級設置

言語障害児をもつ親の会からは、事務局長の平岡利美氏が常任理事に就任しています。

早速関係機関への要望、陳情活動を開始したのですが、一過性の活動に終ってしまいました。

マスコミから医師会までも包含したこの協議会が永続していれば、わが国の難聴・言語障害教育は現在と違った状態になっていたのかも知れませんが、一過性に終ってしまったのは、周りがあまりにも大き過ぎたのに対し、主催3団体が小人のように小さ過ぎたことと、主催3団体相互の要求が必ずしも一致しなかったことによるものと思われます。

しかし、この全国大会を契機に、全国各地で親の会が続々と誕生するという、素晴らしい効果があったことは、記録にとどめておかなければならないと思います。

もちろん、通町小学校や院内小学校で指導を受けるために仙台市や千葉市に寄留していた親たちが、先生から親の会の必要性を説かれ、寄留中の親の会活動の経験を持って帰県し、それぞれ親の会作りに奔走したことが直接の原因ではありますが、この全国大会がその気運を更に盛り上げたことも事実です。

この全国大会から2カ月後の昭和37年10月26日には東京都の、更にその1カ月後の11月25日には宮城県の、そして昭和38年度になると、静岡県、北海道、神奈川県、茨城県の親の会が誕生しています。

昭和39年度以降の各県親の会結成状況は、資料編の年表をご覧ください。



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