U 組織運営と財政の確立
2.全国親の会財政の確立と会報
第2期執行部にとって組織再編ともう一つの重要課題は、財政の確立です。これまでの平岡前事務局長が私財をなげうっての会運営だけは、引き継ぎようもありません。会費値上げも再提案しにくいところです。そこで行木事務局長が発案したことは、毎年の補助事業の配分を、会費納入の会員数、会報「ことば」の購入数、指導誌パンフレットの購入数の実績を勘案して決めるということです。もちろん実績のみで全てを決定するわけではありません。組織拡大の上からも、組織の小さいところ、弱いところにこそ政策的配分が必要でしょうし、逆に全国大会の予定ブロック等には重点的に配分もされます。それでも一応実績重視の原則を決めたことは、その後の会員の拡大、会報・パンフの購読増加に繋がりました。
また全国親の会最大の財源である国庫・日自振の補助事業を確実に実施することが、執行部にとって極めて大事なことです。担当が秋田から千葉へ、そして福島の日向久先生のところへと業務をお願いしていきましたが、担当者の大変な努力と各県親の会の協力とあいまって、年々増加することはあっても減額することはほとんどなく推移してきました。このことは補助金の元受けである、全国心身障害児福祉財団からの高い評価を受けていることでもあります。
組織の強化と財源の確保に役立つ会報と指導誌の作成に、中心的役割を果たしてきたのは行木富子先生です。特に年4冊の指導誌パンフレットの作成はほとんど一人で担当してきました。パンフレットの発行については第一節で詳しく掲載していますので重複をさけますが、執筆いただいた先生方には、ほとんど無料にちかい執筆料でご協力下さいました。いまだに購読の注文が続いていますことに感謝しています。会報「ことば」の作成には茨城の加藤文彦先生、東京の出井啓文先生、福島の日向久先生に大変お世話になりました。また、会報119号から体裁を変え内容も幅を広げました。さらに平成元年度124号から表紙は写真から絵に変わりました。はじめの2年間は東京の台東区立西町小難言教室の大久保智子先生、その後は大金孝子さん、そして次に現中国ブロック長加藤碩さんの難聴の娘さん加藤恵さんの絵が現在まで続いています。また平成6年度154号から横書き左綴じに変わりました。
いうまでもなく会報は、会の顔であり心と姿勢を表しています。また組織内の情報交換の場であり親睦の場でもあります。さらに会の歴史を残す記録誌でもあります。今回の全国親の会創立30周年記念誌の編集ができるのも、先輩の方々の連綿と会報を発行し続けてこられた努力の賜物です。改めて敬意と感謝を申し上げます。
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