W 10年間のできごと
2.親の会の実施事業
「夕食を終えると辺りはたっぷりと日が暮れ、涼しい風が吹いていました。なにしろ回りにはネオンなどありませんから、本当に真っ暗です。・・・何本も花火をもらって嬉しそうな顔。花火の煙で喘息の発作が起きるのを心配して隅のほうにいた子も線香花火を分けるときには手を出していました。大人も子どももない煙に包まれた楽しい一時でした。」(ことばNo23号1972年)
言語障害親子寮育キャンプの初めての体験記です。
「ぼくが一番おもしろかったのは、てんぼう台にのぼってごはんをたべたことと海へいってあさりを取ったことだ。それと木のぼり。木にのぼったら松のとげがいっぱいあっていたくてあまりうえのほうまで上れなかった。でもうみや山がみえたからおもしろかった。」とB君。お母さん方は、「普段は、あの子は部屋に引っ込んでいて友達も遊びにきてくれませんでした。けれども、明日からきっとお友達の所へ出掛けていくのではないかと思います」と。
生き生きした親子の姿が浮かんできます。こうした「療育キャンプ」は財団をとおして、国庫補助および自転車振興会からの援助で昭和47年以降実施され現在まで続いています。「ことば」に各地からキャンプ記録が寄せられています。初期の報告記録として「日本平キャンプに参加して」(静岡県療育キャンプ、1972年)「青森県療育指導キャンプ報告記」(1973年)「親子宿泊療育キャンプ」(福島県、1975年)などがあります。
「1泊2日型」と「2泊3日型」で年間5回(5か所)で実施してきたものですが、実績を延ばし、例えば昭和54年度には8か所で実施されるまでになっています。
そのほかの補助事業としては以下のものがあります。
1)中央・地方研修 2)ボランティア研修 3)治療教育相談
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