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T.わが国の障害者の定義

 障害者の定義は、「障害者基本法」の第2条によって、次のように定められています。

  『障害者とは、身体障害・知的障害・精神障害があるため、長期にわたり日常生活又は社会生活に相当な制限を受ける者をいう。』

 また、「発達障害者支援法」の第2条では、発達障害者を次のように定めています。

  『発達障害とは、自閉症・アスペルガー症候群その他の広汎性発達障害、学習障害、注意欠陥多動性障害その他これに類する脳機能の障害で、通常低年齢に発現するもの』

 言語障害はいずれにも該当していないため、私たちは、障害者を「身体のし<みやはたらきの一部が不十分なために、身体的成長・学習・労働・日常活に不自由さのある仲間たち」と考え、WHO(世界保健機構)の日常生活にどれだけの不自由さがあるかという『生活機能分類』とすることを求め、コミュニケーションや人とのかかわり方が不十分で、社会生活・集団生活に重大な支障をきたす仲間を、法律上除外する不合理を解消するよう主張しています。

U.障害のある子の学校教育のしくみ

1.教育の場の設置と先生の配置

(1)「学校教育法」の第75条では、知的障害・肢体不自由・身体虚弱・弱視・難聴・その他障害のあるもので、「特別支援学級」おいて教育を行なうことが適当なものを対象に、特別支援学級を置くことができる。としています。

 障害者基本法の障害者の定義に、言語障害が位置付けされていないために、学校教育法では、「その他の障害」とされて、二次的な扱いにされているような印象を受けます。

 また、言語障害児や発達障害児を指導する「通級指導教室」は、法的に位置付けされていませんので、法的整備は不十分だといわざるを得ません。

 私たちは、障害者の定義の改正と共に、言語障害や発達障害を法的に位置付け、特別支援学級と通級指導教室を同等に位置付けるよう、主張し続けます。

(2)法律に従って行政を進めるための『学校教育法施行規則』の第73条の21で、ようやく言語障害者への対応を含め「通級による指導の対象となる者」を次のように定めています。

 1)言語障害者  2)自閉症者  3)情緒障害者  4)弱視者  5)難聴者

 6)学習障害者  7)注意欠陥多動性障害者  8)その他特別な教育的支援が必要な者

(3)特別支援学級は、上記の1)〜8)の子どもを対象とし、基本的には、終日特別支援学級で学校生活を送ることになっている『学級』で、『公立義務教育諸学校の学級編制及び教職員定数の基準に関する法律』第7条によって、先生が確実に配置されます。

(4)通級指導教室は、通常の学級で授業を受けている子どものうち、上記1)〜8)の子どもを対象として、難聴・言語障害は週1時間〜8時間まで、発達障害は月1時間〜過8時間まで教室に通わせるか、その子どもが在籍している学校に先生が巡回をして指導する教室です。

 『学級』ではないために、『公立義務教育諸学校の学級編制及び教職員定数の基準に関する法律』の第15条によって、同法律に定められた教職員定数に、政令で定める数を加えるとされていて、これを一般に『加配教員』と呼んでいますが、財政の都合によっては配置されないという不安定さがあります。

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2.教育の専門性の保障のための教員免許状

 学校の先生の資格は、『教育職員免許法』によって、次のように定められています。

 1) 教育職員は、法律で定められた免許状を持っていなければならない。

 2) 免許状の種類は、普通免許状・特別免許状・臨時免許状とする。

 3) 普通免許状は、学校の種類ごとの教諭・養護教諭の免許状とする。

 教員の免許状は学校の種類ごとに定められているために、小・中学校の特別支援学級、通級指導教室担当の先生は、小・中学校の普通免許状を持っていればよいことになり、法律上小・中学校に設置された特別支援学級、通級指導教室での特別支援教育については、指導者の専門性は不要と解釈されかねない奇妙な規定になっており、障害ごとの基礎的専門知識・技能をお持ちでない先生の配置が増えています。

 盲・聾・養護学校が改編される「特別支援学校」の先生は、特別支援学校教諭免許状の保有を義務付けされますが、特別支援学級・通級指導教室に対応する教員免許状がありませんから、無免許運転を容認しているようなもので、これを早急に改善しなければならないと考えています。

 関係者の中には、「専門家は難しい専門的知識を並べ立てて困る。専門的知識などは不要で、愛情を持って子どもをみてくれれば十分」という人もいるようですが、それでは教育とはいえず単なる「保護」に過ぎません。児童愛・生徒愛は不可欠ですが、愛情だけで障害の克服や改善、発達促進が可能とは到底考えられませんので、特別支援学級、通級指導教室に対応する、障害種別の教員免許状の必要性を継続して訴えていくことにしています。

 障害種別を問わず、教育上特別な支援を必要としている子どもを対象とする教育となるため、各種障害児の指導に当ることになりますが、一人の先生があらゆる障害に適切に対応することなどは至難の技ですので、それぞれの専門を明確にし、障害教育の専門家の協力・提携による指導が必要との考えによるものです。

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 ※印の付いている法律を詳しくご覧になりたい場合は、以下のリンク先(文部科学省)よりご覧ください。
  
文部科学省のページへ
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